BESV JR1にはスタンドを取り付けていないので何かにもたれ掛けさせるか、サイクルスタンドに載せるかする。
普段はサイクルベースあさひオリジナルのサイクルスタンドを使っている。もう随分長いこと使っていて、折り畳みなんかできないが、頑丈で安定していてとても良い。
ペダルを回してディレーラーの整備やチェーンへの注油、クリーニング作業ができることもサイクルスタンドの必須要件だ。
しかし、このサイクルスタンドはよくあるチェーンステーとシートステーを引っ掛けるタイプ。
JR1はリアモーターの電源ケーブルとディスクブレーキホースがチェーンステーと並行して取り付けられていて、これらが干渉してしまうのだ。無理すると電源ケーブルのコネクターが外れてしまうこともある。
別のタイプのサイクルスタンドを探すことにしたのだが、ネックとなるのがJR1の重量。電動アシスト自転車はとても重く、市販のサイクルスタンドでは耐荷重オーバーになってしまうのだ。
そこで、VIVAの自転車修理台を参考にイレクターを使って自作することにした。
上図は最初に作った設計図だが、この通りではいろいろ不具合が見つかり、時間もお金もだいぶ使うことになってしまった。
最初に450mm1本と300mm3本のパイプを購入。1200mm1本と264mm2本はバモスのルーフインナーラックを作った時に余っていた手持ちもの。
メタルジョイントはHJ−6を2個とHJ-1を1個。
プラ製ジョイントはJ-7Bを3個とJ-59Cを1個
パイプの末端を保護するプラキャップJ-49を5個と脚に使用するゴムキャップEF-1202Aを4個。
それに接着剤サンアロー50mlを1個と自転車を載せる部分のパイプに被せる内径24mm×長さ180mmのスポンジカバー1個を用意した。
早速組み立て開始。プラパーツはそのままではグスグスで固定しないので接着する。
キャップを接着するとスポンジカバーを入れられないので先に挿入。そのままでは入らないのでシリコンスプレーを吹いてやるとスルッと入る。
ゴムキャップも先に付属のキャップを接着してやるが、キャップを付けるととゴムキャップはなかなか入らない。これもシリコンスプレーを吹いてやったら簡単に嵌めることができた。
サンアロー接着剤は付属のスポイトを傾けるだけで水のようにポタポタ垂れてしまい、とても扱いが難しい。
「換気のために屋内で作業するな」と注意書きがあったので外で接着したが、これは正解。フローリング床や絨毯の上で作業したら大惨事だ。
サンアロー接着剤はプラジョイントやパイプ表面の樹脂を溶かして接着する。なので、ジョイントやパイプの表面に接着剤をこぼしても拭いたりしてはいけない。表面がズタボロになってしまう。こぼしたら放っておいて乾かすしかない。
で、とりあえず出来上がった第1弾の完成形。
JR1を載せてみたら一瞬にしてダメさが露見した。サドルの載せるパイプが頭を下げてしまうのだ。
メタルジョイントのネジを力いっぱい締め付けてもJR1の重量に負けてしまう。電アシの重さを舐めてはいけません。
対策としてサドル受けパイプの後端に補強の方杖を付けることにした。メタルジョイントHJ-1・1個とHJ-7・1個と短いパイプを追加投入。
メタルジョイントを付けるためにプラジョイントを撤去しなければいけない。イレクターは接着して作るので、簡単に改造できないのがデメリットだ。
まずジョイントのリブを切り離し、取り除く部分を切断する。パイプまで切らないように、3mmだけノコを入れる。
うちはマキタ・マルチツール MTM001が大活躍。あっという間に切断作業は済んだ。
切断は簡単だったが接着されているジョイントを剥がすのがたいへん。剥がした後も、メタルジョイントを取り付けできるようにノミなどで表面をならしてやる。
補強は上から押さえるのが良いのか、下から引く方が良いのかわからないが、とりあえず下から補強することにした。
これがサドル受けパイプを補強した第2弾の完成形。しかし、これも瞬殺した。
今度はこの根元のメタルジョイントが重さに負けて回転し、支柱が傾いてしまったのだ。また、脚の長さも300mmでは不安定であることもわかった。
支柱にも補強を追加した最終形態の設計図。脚の長さを450mmにし、脚を連結するパイプを2ヵ所にして支柱の補強を設置できるようにした。
補強用のパイプは支柱から200mmカットして流用し、自転車を載せる場所をサドルからシートポストとシートステーの連結部に変更した。
新たに450mmパイプを3本、メタルジョイントHJ-1・1個とHJ-7・1個、プラジョイントJ-7B・4個、J-12B・1個を追加投入。
450mmパイプの1本は元の脚を分解して救出した。ゴムキャップの中に入れるプラキャップがないとゴムキャップは簡単に外れてしまうが、一度接着したプラキャップは外せない。パイプの先端にマスキングテープを何重にも巻いて代用することにした。
支柱を立てるジョイントをJ-7Bにしたのは僕の勘違い。前に突き出た部分は不要だが、接着するときに支柱部分を直角に立てるためのストッパーとして役立った。
ほぼ完成した状態。これからさらにJR1を載せたときの高さなどを調整した。
JR1を載せた最終的な状態。
ペダルを回転させても補強の方杖に接触しないことを確認。
車体を安定させるためにプラジョイントJ-59Cでシートステーを捕まえている。
自転車受け部は補強していても自転車を載せると若干下がる。
とりあえず完成はしたが、支柱の横方向への補強が必要かも知れない。補強を増やすたびにスタンド自体の重量が増えるのも問題だ、JR1の重量をあなどっていた。
イレクターでの工作はリカバリーがしにくい。最初の設計段階が重要であることを痛感した。