「ニッポンの編曲家」という本を読んだ

1970年代〜80年代のJ-POPというか、歌謡曲やニューミュージックが好きです。まあ、かなり偏った聴き方をしているので万遍なくではないけど。

以前はBookoffとか行っても、CDの低価格コーナーに掘り出し物がありましたが、最近はめっきり古いものがなくなってきました。
CDの発売は1982年からなので70年代のCDはもちろん存在しませんが、後からCD化されたものもたくさん出回っていました。それらもあまり見かけなくなってちょっと淋しい。

買ってきたCDはすべて「iTunes」に読み込ませます。
「iTunes」には「作曲者」の項目しかありませんが、他の使わない項目を流用して「作詞者」や「編曲者」も登録するようにしています。
ジャケットに編曲者が記載されていないことも多いですが、なるべくネットで調べたりします。

ちょっと前にまとめサイトを見ていたときに、Amazonリンクで「ニッポンの編曲家 歌謡曲/ニューミュージック時代を支えたアレンジャーたち」という書籍が発売されていることを知りました。
興味を引かれたので、掛川市立図書館に取り寄せていただきました。

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この本は、編曲家やスタジオミュージシャン、録音技術者へのインタビューで構成され、巻末には主立ったアルバムのミュージシャン・クレジットが資料として掲載されています。

編曲家でのインタビューでは、どうして編曲家になったのか、仕事の様子、ミュージシャンとのこと、最近の若い人の音楽製作などについて語られています。
ミュージシャンや技術者へのインタビューも、編曲家とのエピソードなど貴重な話が満載です。

南野陽子やWinkのオリジナルアルバムを全部収集したので、萩田光雄さんや船山基紀さんの名前はもちろん知っていましたが、この本を読んで改めてそのすごさを垣間見た気がしました。
そして、ばらばらに認識していた人たちに繋がりがあることも知ることができました。あと、インペグ屋さんという職種があることも。

作詞家や作曲家は表に出るのでよく知られていますが、編曲家はクレジットが出ない完全な裏方の場合もあり、とくに専業にしている人は一般の方に名前を知られていないこともあります。
編曲家が何をやっているかも知らない人もいるようです。

作詞家や作曲家は印税収入で、CDの売り上げに応じて収入になります。編曲家は1曲ごとの売り切りらしいです。
最近はCDもあまり売れないので作曲の印税収入よりも、編曲を生業にした方が生活が安定するという話もどっかで読みました。

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「一流ミュージシャン同士がぶつかり合いの中で1回ごとに変わっていくのが生音録音の魅力。コンピュータの打ち込み音楽が主流になり、ひとりの発想には意外性がない」と後書きに書かれています。
CDが売れなくなって、反面ライブに人が集まるのは、そういうことなのかなと思う次第であります。

興味ある方は、ぜひ、手にとってお読みください。久し振りに面白い本に出会いました。

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