2023年9月20日 雑記
法定相続情報証明制度
7月にカミさんの親父さんが亡くなって、いろいろな手続きが必要になった。
水道・ガス・電気・電話などの親父さん名義になっていたものの名義変更手続き。特に面倒くさいのが財産の相続関係の手続きだ。
相続では、死んだ人(被相続人)に対しどれだけの人が相続対象者(相続人)なのか明らかにしなければならない。後から遺族の知らなかった相続人が出てきたりして問題が起きるのを防ぐためだ。
銀行などでは被相続人の生まれてから死ぬまでの戸籍謄本が必要になる。うちの親父さんの場合高齢だったため、戸籍謄本の枚数が多くて4,500円くらい掛かった。
本籍を複数の市町村に移動したりしていると、それぞれの移動先から取り寄せなくちゃならない。
そして、相続する方も全員の戸籍謄本が必要だ。
提出先によってはこれらの戸籍謄本を返却してくれるところもあるようだけど、返してくれなかったら、また、枚数が多いと謄本の発行手数料だけでも結構な金額になってしまいそうだ。
平成29年5月29日から戸籍謄本の束を用意しなくても済む「法定相続情報証明制度」が始まった。
この制度を利用するために最初の1通ずつだけ戸籍謄本が必要だけど、「法定相続情報一覧図」を作ると法務局がお墨付きを与えて、戸籍謄本の代わりにできる。しかも法務局への登記申請も発行も無料でやってくれるのだ。
「法定相続情報一覧図」を作成して登記所で登記するのだが、弁護士や司法書士、税理士などに依頼して申請することもできる。しかし、人を動かせばお金が掛かる。
自分でやってもそんなに難しいことはなさそうだったのでやってみた。
まず、被相続人の生まれてから死ぬまでの戸籍謄本、被相続人の住民票の除票、相続人の現在の戸籍謄本、申請者の氏名・住所が確認できる公的書類(運転免許証やマイナカードのコピーなど)を用意する。
次に上図のような「法定相続情報一覧図」をパソコンで作る。サンプルは相続人が妻と子1人だけの場合。ちなみに続柄は「子」はダメ。
法務局のホームページにエクセルのひな形と記載例が用意されている。これを利用すると簡単だ。
それから「申出書」を同様にパソコンで作る。「申出書」のひな形と記載例はこちら。
「申出書」の「被相続人との続柄」は「子」でも「長女」でもOK。
「必要な写しの通数」は何通でも無料なので多めに取っておいた方が良い。追加もできるけどまた「再交付申出書」を作らなければならないから。
以上の書類が用意できたら管轄の登記所に行って申請する。
訂正があれば連絡が入る。うちの場合は、帰り道にスーパーによって、家に着く前に電話が掛かってきた。
申請してから土日を挟んで4日目には「できた」と連絡があって、受け取りに行った。地方の登記所だったから、たまたま暇だったのかも知れない。
この「法定相続情報一覧図」があると、銀行や自動車、不動産の名義変更などに使用できる。
法務局とか登記所とか一般の人にはなかなか馴染みがないけど、親切に教えてくれるので自分で調べて挑戦したらお金の節約になるよ。
<2023年9月22日追記>
本籍ってあるじゃないですか。戸籍は本籍地にあるんだけど、例えば本籍が名古屋で住まいを静岡県に引っ越したりすると戸籍謄本が必要なときにいちいち名古屋へ郵送で依頼しなくちゃならない。
これが面倒だと本籍を住んでいるところへ移動させようと思ったりする。
今回のように生まれてから死ぬまでの連続した戸籍謄本が必要だとなったとき、本籍をあちこち移動させてると、そのあちこちから戸籍謄本を取り寄せることになる。
カミさんの親父さんはいろんな所に住んでいたけど、本籍を地元から全然移動してなかったから地元の市役所1ヵ所で済ますことができた。
これがあちこち移動させていたら本人は移動させたことを知っていても、残された者が知らなかったりすると大変な手間が掛かりそうだと思った。
女性の場合、他の市町村の人に嫁いで入籍したりしてると、生まれた所と嫁ぎ先の2ヵ所から戸籍謄本を取り寄せることになる。
だから、本籍を移動させない方が子どもに負担掛けないから、今のままでいいやと思った。
マイナンバーになったついでに戸籍も市町村ごとの管理でなくて、お国で管理してくれたら1ヵ所で済ませられないかとも思った。