不動産の相続登記を自分でやってみた

カミさんの親父さんが亡くなってから、「法定相続情報一覧図」を作り、相続した自動車の名義変更のための移転登録をしてきた。

平成6年4月1日から不動産の相続登記申請が義務化されているため、今度は今住んでいる家の土地と建物の相続登記も自分でやってみた。

法務局の支局に行って受け付けを待っていたとき、年配の方が受け付けの人に「司法書士さんの仕事を取っちゃうことになるんで、今はやっていないんですよ」って言われていた。
年配の方が持っていた資料から、相続登記のやり方を尋ねて、そう言われていたのだと思う。

その方が持っていた資料は法務局で用意されている「登記申請手続のご案内(相続登記②/法定相続編)」。これらのガイドを理解でき、自分でネットを調べられる人なら誰でもできると思う。

まず、相続登記には3パターンあるようだ。①相続する全員で相談して特定の人が相続する「遺産分割協議」。②法律で決められた割合で相続する「法定相続」。③故人(被相続人)の遺言で相続する「遺贈による所有権移転登記」。

法務局で用意されているガイドブックも3種類あり、パターンによって提出する申請書や添付する書類が異なる。
実はこのエントリーを書くまでガイドブックが3種類もあるのを知らなかった。「法定相続編」や余所の関連サイトを見ながら書類を用意したのだけど何とかなった。

うちの場合、複数で持ち合う法定相続の分割登記でも良かったんだけど、誰かが亡くなるとまた相続登記したり登記免許税を払わないといけないし、相続にもめる要素がなかったので、結果的に1人だけで相続する「遺産分割協議」で申請することになった。

やったことはまず、「登記申請書」のテンプレートと記載例のダウンロード。法務局のホームページに一太郎やWORD、PDFデータで用意されている。

「登記申請書」には不動産の情報を登記簿謄本に記載されているとおりに書かなきゃならないので、法務局へ行って不動産登記簿謄本(登記事項証明書)をもらってきた。

相続人を特定するために、故人や相続対象者全員の戸籍関係書類を用意しなければならないが、これは以前エントリーした「法定相続情報一覧図」を作っておいたのでOK。

登記には「登記免許税」という費用が発生する。この税額は固定資産評価額から計算して求める。評価額を証明する書類として「固定資産評価証明書」を市役所でもらってきた。
発行はもちろん有料なんだけど、申請には申請書と申請者の本人確認書類(運転免許証など)、故人の住民票の除票、法定相続情報一覧図が必要だった。

その他に、故人の戸籍の附票、不動産を相続する人の住民票、相続人全員の印鑑証明書が要る。マイナカードでコンビニで取得すると料金が1/3なので助かる。
この住民票は、相続する人の住所の特定に。印鑑証明書は、これから作成する「遺産分割協議書」に押印された印影が本物である証明に必要なのだ。

上の例は何人かいる相続人のうち2人が相続した場合の記載例。
申請人が1人の時は、「持分・・・」の部分は記入しない。住民票コードは記入すると住民票が要らないようだ。住民票コードは住民票の写しに記載されているそうだけど、結局住民票を取らなきゃならない。電話番号は携帯電話番号でも受理された。

課税価格は、「固定資産評価証明書」に記載された土地と建物の評価額の合算。1,000円未満は切り捨て。評価額が1,234,567円なら1,234,000円。もし評価額が1,000円未満なら1,000円。

登録免許税の計算式は、登録免許税=課税価格÷1000×4(100円未満は切り捨て)。課税価格が1,234,000円なら1,234,000円÷1000=1,234円、1,234円×4=4,936円。登録免許税は4,900円となる。計算した額が1,000円未満なら1,000円。

不動産の表示は不動産登記簿謄本(登記事項証明書)のとおりに記述。不動産番号なども登記簿謄本に記載されていた。

「登記申請書」は片面印刷で、最後のページに白紙の紙を1枚加え、左側に2ヵ所ホチキスで止める。
見開きになるページに、ページにまたがるように申請者の印で割り印を押印する。これはページが抜かれたり、差し替えられたりするような不正を防止するための目印だ。

相続人のうち特定の人が不動産を相続する場合、相続人全員で決定したことを証明する「遺産分割協議書」を作成する。相続人が10人いたら10人全員の署名・捺印(実印)が必要だ。
この「遺産分割協議書」と相続人全員の印鑑証明書で、申請者が正当な不動産の相続人であると証明するのだ。

上の例は不動産だけに特化した作例で、うちは全財産を網羅した分割協議書だったけど問題なく受理された。

登記申請書に添付する書類は全部原本が必要だ。「遺産分割協議書」は返して欲しかったので、コピーをとり、余白に「原本と相違ありません」と書いて署名・押印(実印)。原本と一緒に提出した。

登記申請書と遺産分割協議書、法定相続情報一覧図、固定資産評価証明書、故人の戸籍の附票、相続人の住民票、全員の印鑑証明書。全部揃ったのでカミさんと法務局へ行ってきた。

まず、印紙売り場へ行って登記免許税分の印紙を購入し、最後に入れた白紙ページに貼り付ける。印紙に割り印は要らない。

登記受付窓口で添付書類などの確認がされると、「登記申請されたお客様へ(お知らせ)」を引き換えにもらえた。
3日くらいで登記が済むようで、内容に問題があれば完了日までに連絡があるそうだ。何も連絡がなく完了日を迎えたら登記ができたということだ。

何事もなく完了予定日時を迎え一安心。4日後にお知らせの紙と申請書に押印した印鑑、運転免許証を持って法務局へ。「登記完了証(書面申請)」と「登記識別情報通知」、それと返却依頼した「遺産分割協議書」をもらって帰ってきた。

「登記識別情報通知」は従来の権利書に変わるものだそうで、「再発行しないので厳重に保管してください」と言われた。

以前、不動産の名義人住所変更登記のときは数回法務局に通ったけれど、今回は一発合格。チョーカンタンだった。

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