2021年8月10日 DIY
ガラポンガチャを作った
町内のイベント用に今年もガチャマシーンを作った。
昨年作ったガチャマシーンはピンポン球が出てくるマシーンで、主要部品は木製、ボディやその他の部分はダンボール製だった。
今年はもっとマシなものをと、ほぼ木製の、ダンボールマシーンよりも永く使えそうなマシーンを目標に作ることにした。
内部は福引きなどで使われる「新井式回転抽選器」で、ガラポンとも呼ばれている。
ただそれだけでは芸がないので子どもや大人にも知られているガチャの要素を加え、ダイヤルを回すと内部の回転抽選器が回って抽選球が出てくる「ガラポンガチャ」にした。
「ガラポン」自体の構造は、JSK-koubouさんの動画「【工作】ガラポン (福引抽選器)の構造 How to make a lottery wheel」を真似させてもらった。
製作には構想10ヵ月、製作約2ヵ月かかった。途中ギックリ腰やコロナワクチン接種後の倦怠感、製作中目論見通りにならないことや、実際動かして強度不足が発覚したり、いろんなことに余計な時間を要してしまった。
外装はダイソーの6mm厚MDF。ホームセンターの安いラッカースプレーで塗装した。
塗装の時間が使用日の前日、半日ぐらいしか取れなくて、よく見ると酷い塗装だ。賑やかしに100均のマスキングテープを貼ってごまかしている。
MDFなので一応下工程に、塗料の吸い込み防止のサンディングシーラーを3度塗りしてある。
土台のベース部分は12mm厚シナ合板。塗ってしまったので普通のラワン合板でも良かったかも知れない。
抽選球は市販の直径12mmのガラポン用。1個10円くらいするので色数を増やすと高くつく。
それに数があると意外と重く、強度不足が露呈することになった。
回転ダイヤルは昨年のガチャマシーン同様、ダイソーの「冷んやり水筒」のキャップを使っている。
利用者が唯一触れる部分なので、小さな子どもでも回しやすく、そして手触りを重視した。
天板は2ヵ所のユリヤ化粧ネジを外すと取り外せるようになっている。
天板を外すと抽選球を補充できるようになっている。
このマシーンで苦心したところの一つは簡単に抽選球を補充できることと外装を取り外して内部の機構部分を露出できるようにできることだ。
外装を取り外した状態。球が転がってくる部分には100均のフェルト生地を貼った。
ガラポンの回転部は、反対側は接着剤で固定されているが、手前側はネジ止めで開けられるようになっている。使っているうちに内部の機構が壊れてしまったときに修理できるようにするためだ。
背面側は2つの歯車で手で回したダイヤルの回転をガラポンに伝えている。ダイヤルの1回転がガラポンの1回転なので、2つの歯車はまったく同じものだ。
以前エントリーした「木製歯車の製作」は、このガラポンガチャのための歯車だったのだ。
ベアリングが3ヵ所使われているが、ガラポン側のベアリングは用をなしていない。製作途中でガラポン回転部は軸に固定せず、フリーで回ることにしてしまったためだ。
ダイヤル側も2ヵ所ベアリングを用意したが、ダイヤルノブを分離できるようにしたためベアリングの置き場所がなくなってしまった。
最初の構想ではガラポンの軸もダイヤルの軸もアルミ製で、分解するときにダイヤル軸は抜いて外装を外せるようにする計画だった。
そのためにはダイヤル軸はダイヤルノブに接着され、ギアは止めねじで固定して、取り外し可能にする予定だった。
しかし、抽選球を多く入れると止めねじが効かなくて軸とギアが滑って空回りしてしまった。また、木材とアルミの接着もあまり強固にできないことがわかった。
そこで、軸をアルミから木材に変更し、軸と歯車を接着。軸とダイヤルノブはネジで連結して、外装の外から分離できるようにした。
ダイヤルノブ側は軸にハンガーボルトを埋め込んだ。
ギア側の軸には鬼目ナットを埋め込むはずが、軸が割れてしまうアクシデント。
そこで、鬼目ナットを大きめの角材に先に埋め込み、それから外径を細く加工。軸を埋め込んで接着連結させることにした。
想定外は内径12mmのベアリングやドリルビットで開けた12mmの穴に、外径12mmのアルミパイプや木製丸棒が入らなかったこと。軸を細くしたり、穴を広げたり余計な手間が掛かった。
ガラポンの球補充口には塩ビ継手の掃除口を流用した。
キャップを外すと抽選球を補充できる。
掃除口の高さがあるので、MDFの厚みにあわせてマルチツールでカット。キャップ側には木材を埋め込んで面一になるようにした。
本番では600名以上の人に回していただき、無事用を果たせたのだが、いろいろ反省点もある。
一番大きな問題は、ダイヤルを回しても空振りがあること。球は確実に1個ずつしか出てこないのだが、球が装填されないときがあった。
確実性がないと何度もダイヤルを回してもらったりして、回す方もしらけるし、回してもらう方も気が気でない。
「ゆっくり回してね」と注意しても、子どもさんの中にはグルングルン勢いよく回したり、回し方は様々。回し方の差により、出てくる球が常に同じ軌道で排出されるわけでないため、球がダイヤル軸に接触したり壁に当たり、ボディ内部に球が行ってしまうことがあった。
軸と歯車が直角に取り付けられるような精度がでないため偏心して回転し、機構部を狭く作ったため予期せぬ所で接触して回転が渋くなるときがあった。
まぁ、「精度って何?おいしいの?」というくらい雑な性格と手先が不器用なので仕方がない。
〈オマケ〉
抽選球を数えるのが面倒くさいので、端材で計数器も作った。50個まで数えることができる。
右上3つだけ穴あけサイズを間違えた。